2014年01月29日

あれほどの死者を出した大きな地震だったなんて、あの時の私は知る由もな
かった。とりあえず、少し大きな地震が来た、それくらいの認識でしかなか
った。慌てるお客さんをなだめ、落ち着いて業務に臨むしかなかった。私に
だって子供がいる、でも仕事中の私にそこまで考える余裕はなかった。

地震発生から1時間も経たずに、店内に旦那の姿が。同じパチンコ屋で働いてい
る旦那と私。私は早番だけど旦那は遅番、まだ出勤時間ではないはず、そう
思った。旦那はデキパキと動き、私の元へと駆け寄って来た。

『子供たちは大丈夫だから。とりあえず実家にいるか ら仕事が終わったら
連絡を取って。』それだけ言うと、再び店内を巡回し出した。

ここでようやく子供たちのことを考えた。今の今まで仕事脳になっていた私。
それにそこまで大きな地震だという認識がなかった。旦那には聞こえないけれど、
ありがとうと呟き仕事に戻った。

続々と遅番が出勤した。天井が割れヒビが入ったコースは、立ち入り禁止の札と
ともにチェーンで塞がれていた。インカムで私を呼ぶ社員の声が、天井の状態を
聞きたいらしい。最後まで店内にいたのが私だと知っていたのだろう。
ヒビ割れが酷い箇所からその状態を教えた。いつもだったらお客さんで溢れているはず
の店内も、数人のお客さんしかいなかった。

ヒビ割れた天井からパチンコ玉がポロポロと落ちている。お店も結構ダメージ
を受けたようだ。
posted by ヒロシッペサンタ at 14:18 | 地震